我々人間の行動の80%は習慣だと言われます。
習慣とは、行動の積み重ねによって
自然と身体が動くことを意味します。
長い間それを繰り返し行うことで、
あたかもそうすることがきまりのようになったものです。
習慣は、脳が省エネのため、
何も考えずに行動を選択できるよう、
行動に至るプロセスを自動化したもので、
習慣とは無意識で行動する事であり、
それは潜在意識の中に刷り込まれている物なのです。
習慣は、後天的な行動様式であり、
反復して行われることで固定化され、
いつしか その人とその人の習慣を
切り離して考えることができないような状態になり
「習慣は第二の天性なり」とも言われます。
習慣とは脳科学的には、記憶の集積の事なのだそうです。
何度も何度も繰り返し反復されて行われた思いや行動は、
長期記憶になり消すことが出来なくなります。
記憶とは脳の中の神経細胞(ニューロン)の
つながりの形の中にあり、
ニューロンの繋がり方で神経回路を作るのですが、
記憶とはこのつながりの形、回路のパターンなのだそうです。
行動が習慣化されると脳は毎回考える必要がなく、
効率がよくなります。
習慣化されると生活リズムに自動的に組み込まれるために、
労力が最小になり、準備期間も短くなります。
私たち人間の脳は、特定の習慣をつかさどる
神経経路が何らかの合図や外からの刺激で活性化すると、
その神経経路に沿って電気信号が走り、
それが習慣化された行動へと私たちを駆り立てるのです。
たとえば、朝歯を磨き、顔を洗うと言う事が習慣になっていれば、
朝起きると自動的に「歯を磨き、顔を洗う」の神経が作動し、
いちいち考える必要は無くなります。
習慣として定着していくにつれ、
その行動と結びついた神経経路はどんどん
太く強くなっていきます。
何度も同じ行動を繰り返すことで専用の神経経路をつくり、
それを強化していくことができるのです。
ところが習慣には良い習慣と悪い習慣があります。
どちらも無意識で自覚なくやっていますが、
良い習慣は良い結果を生み、悪い習慣は悪い結果を生んでいきます。
自己啓発作家のオグマンディーノの
著書『地上最強の商人』の中には
「人間の成功は、知識の多さや努力の積み重ねではない。
人間を成功に導くのは習慣である。
なぜなら、人間は習慣の奴隷である。
何人も、この命令者には抵抗しえない」
「このゆえに、成功を願うものは自分でよい習慣を作り、
自らそれに従わなければならない」とあります。
人間の習慣は繰り返されたその人の
思い(意思)によってつくられ、
運命は行動の結果として作り出されていくものなのです。
だから悪い習慣をやめ
良い習慣に変えていかなければなりません。
また人間は誰でも潜在意識の中に、
自分はこんな人間だという
自分自身のセルフイメージを持っています。
未来はどうにでも変えていける
可能性を秘めた空気の様な物です。
我々はその未來と出会いそれを受け止め、
自分の潜在意識の中にあるセルフイメージに
つなぎ合わせて何かを発信し、
過去と言う塊を作っていきます。
つまり外界と内面(セルフイメージ)をつなぎ合わせて
過去と言う塊を作っていくのです。
したがってセルフイメージは自分が未来にわたり
どのような姿になるかを決めていく重要なものです。
『感じ方が変われば行動が変わる、
行動が変われば習慣が変わる、
習慣が変われば人格が変わる、
人格が変われば運命が変わる』と言われます。
我々は過去に積み重ね、
潜在意識の中に刷り込まれた習慣や、
未来に向けてのセルフイメージを
書き換えていく事により、
新しい人格を得て、
新しい運命を作っていく事が出来るのです。
ところが潜在意識の中に刷り込まれた、
習慣やセルフイメージを変えていくのは、
そんなに簡単な事ではありません。
潜在意識に入り変化を起こすのは、
生き死に関わる様な強烈な体験や、
強い感情を伴った体験、
そして繰り返し、繰り返し、
反復されたものだと言われます。
私が手掛けている感性フォーラムでは
自分を見つめて感動的な素敵な自分、
未見の我に出逢います。
顕在意識、潜在意識の奥にある、
宇宙意識、神意識とも呼ばれる「真我」を
垣間見る体験と言ってもいいと思います。
(真我に目覚めると言う不遜な言葉は使いません)
素敵な自分への出逢いは大きな感動であり、
自らの過去を受け取りなおして、物の見方や感じ方が変わり
イメージが変わり、行動が変わっていきます。
自分の中で大きな変化が起こるのですが、
研修室を出て、日常に帰り、行動を定着させるには
何がしかのフォローアップがあった方がいいなと
思うようになりました。
と言うのは、脳は大きな変化を嫌がる性質があるからです。
脳は安定を求めるので、ホメオスタシスが働き、
新しい刺激から自分を守ろうと現状維持させるための信号を出し
新しい行事の習慣化を妨げるのです。
この、できるだけ変わらないようにする働きのことを
脳科学では「安定化指向」と言います。
人間は「同じでいたい、安定していたい、あまり変わりたくない」
という基本傾向があるのです。
ですから、普段夜中まで起きている人がいきなり
朝型生活をしようとしても、なかなかその習慣を変えられないのも、
元に戻ろうとする「安定化指向」が作動するからです。
では、脳は全く変わってくれないかというと、
そうではありません。大きくは変われないけれど、
少しずつなら変化を受け入れてくれます。
このほんの少しだけ変わることができる性質のことを
「可塑(かそ)性」と言います。
粘土のかたまりを指で押すと少しへこみますが
離しても元には戻らずその形のままですよね。
これが「可塑性」です。
つまり、少しずつなら、
自分自身を変化させることができるということです。
私もラグビーのキャプテンを務めましたが、
選ばれた最初はぎこちないものでした。
ところがその役割を果たさなければいけないと
常に意識する事により、次第に役割になれて、
板についていったように思われます。
NPOヒーローズでも会長と言う役割を担っていますが、
こちらも知らず知らずのうちに
「セルフイメージ」が作られていくのですね。
このように大きくは変われないけれど、
少しずつなら変化していくことができる性質が「可塑性」です。
だから新しく良い習慣を身につけようとする行為は、
これまでの習慣を続けさせようとする脳の抵抗との戦いになります。
オグマンディーノは
『習慣を変えるものは、新しい他の習慣だけである』
と語っています。
だから良い習慣を何度も何度も反復し実行し、
刷り込んでいく事により「習慣」を変えることが出来るのです。
良い行動を習慣化させる目的は、自己の目標や夢の実現のため。
習慣化されれば、考えることなく体が動き、
負担なくなりたい理想像に近づいていく事が出来、
自分に自信がついてきます。
習慣化に要する期間は、一般的に3週間と言われます。
これは脳の海馬の関わる仕組みに関わります。
人間の記憶はいったん海馬に入って、
その中で整理をされて長期記憶になっていきます。
海馬に新しい情報が保管される期間は大体3週間で、
この3週間の間に何度も何度も同じ情報が
海馬の中に入っていく事によって長期記憶化が
しやすいので習慣が変えやすくなります。
ところが生存本能に関わるような習慣、
ダイエットや禁煙は、新しい習慣になるための期間は
もう少し長くて90日、約3か月かかるのだそうです。
人間の細胞が入れ替わるのは、
一説によると3か月、90日と言われます。
ですから習慣にも2つのタイプがあって、
指向的な習慣、行動的な習慣は3週間、
21日で変えることが出来て、
生存に関わる様な習慣を変えるには、
3か月90日位かかるのだそうです。
海馬の中に同じ情報が何度も何度も入って
長期記憶になっていきます。
習慣は記憶の集積ですから何度も何度も
無意識のうちに反復して入ってきたものが習慣になります。
一旦長期記憶になってしまったものは消えません。
習慣化されると、その行動をとることがつらくなくなり、
意識しないでも知らない間にその行動をとるようになり、
その行動をとらないと自分の中に違和感を、
感じるようになります。
つまり、最初は無理やりだったことが、
いつの間にかルーチン化し、
自然な行動になって行動している意識すら消失するのです。
習慣化とは意識して行っていたことが続けることで
意識しなくても出来るようになることで、
無意識化での必然的な行動パターンの事です。
脳は毎回同じインプットをし続けると
脳の方がパターン化を行うのです。
思考回路を動かして同じインプットには
同じアウトプットが出るように脳が記憶して
思考エネルギーを使わずに行動できるようにしてしまう。
脳の神経回路が強化された状態が習慣なのです。
ある物事を習慣化すれば、心理的、肉体的な抵抗を
感じすに行動できますが、これを自動化と言います。
新しい行動が習慣化されるとそれが自分の生活の軸になって
新しい自分らしさが生まれます。
必ず何かの成果につながるのが習慣化なのです。
脳を理解して利用できればいいですね。
脳がモチベーションを持ちやすい様に
報酬を与えるのも一つです。
ドーパミンは脳の快楽物質と言われますが、
楽しかったり、気持ち良かったりすると分泌されます。
ドーパミンが出る体質に自分をしてあげる事も大切ですよね。
また習慣化の目標は何かを明確にすることも大切です。
目標を持っているからこそ行動の継続が出来、
慣れ、習慣化され成果が生まれるのです。
コツは小さいことからコツコツ進める事でしょう。
多くのものをいっぺんに求めるのではなく、
まだできると思っても必ず行動をやめる事を3日間続けると、
自分の心に「もっとやりたい!」という飢餓感が生まれます。
最初から大きな変化を求めず、些細な変化に喜びを感じていきましょう。
行動するまでのハードルを下げるため
何かを準備しないといけないという事を避けてください。
やる時間を決めて日常生活の中に組み込んでしまうとか、
仲間と一緒にやったり、コーチングし合ったりすることも
有効だと思われます。
また普段使っている言葉は大切です。
人間が思ったことは実現化します。
良いことを思うといいことが起きて、
悪い事を思うと悪い事が起来ます。
言葉は思いの表現方法ですから、
プラスの事を言っているとプラスの事が起こるし、
マイナスの言葉を使っているとマイナスの事が起こってしまいます。
口癖とは習慣ですから口癖をよくすることが大切です。
セルフイメージとも関係しますが、
アファメーション(肯定的な自己暗示)は大事になってきます。
「不安だな」と思いながらやるのか、「もうできた」と思ってやるのか。
できているところをイメージして行動すると実現の確率が高くなります。
過去完了で「~できた」、あるいは現在進行形で「~している」と
言葉にする習慣を身に着けるべきです。
プラスの言葉やいい口癖を使う習慣、アファメーションを言う習慣
を身に着けたいものですね。
潜在意識は思った道理のイメージを実現させようと
常に動いているので、思った通りの事が叶ってしまうのです。
「いつか幸せになりたい」と言うのは
「今は幸せではない」と言うイメージです。
「いつか成功したい」は「成功していない」と
イメージしているという事です。
幸せになりたいのなら、幸せな状態をイメージしないといけません。
成功したいのなら成功した状態をイメージしないといけません。
理想の状態を先取りして、未来に立って
もうなったと過去完了でイメージして、
その状態をイラストにしたり、言葉にしたり、
自分がしっくりくる表現や、
元気になれる言葉をつなぎ合わせて、
セルフイメージを作っていく事が大切なのです。
イメージには時間の概念はありませんので、
イメージして成功の喜びの感情を先取りする事が
エネルギーになります。
出来るだけ繰り返して見たり言葉にしたりすることが
大切なので、夢のビジョンボードを作って、
目につく所においておくなんて言うのも良いですね。
鞄を変えたり、名刺入れを変えたり、というのも
セルフイメージを上げる事につながるかもしれませんね。
まずは変わるのだと信じ、変えると決断する事ですね。
未来のイメージをもって行動していきましょう。